原因はあとから書店
店長:なぜを五回、まだ三回目
事故そのものより、その後ろ側を読みます。三千ページの報告書、ボイスレコーダーの最後の一分、五回目の「なぜ」。原因は起きた瞬間には見えず、何年もかけてあとから形になります。犯人が決まったところで終わらない本だけを並べる店。
現場に残されたものから、身元をあとから辿る
あの墜落の何年も前から、原因は積まれていた
事故を伝える側にも、その日の判断が残る
遺族が会社の中へ入り、原因の続きを聞き続けた
整備不良の一言を、下請けが最後まで疑う
小さな数字のごまかしが、あとから積み上がる
個人のミスの後ろに、組織の穴を探しにいく
誰のせいかを決めた瞬間、原因の追跡が止まる
失敗を隠した組織に、次の事故があとから来る
負けた理由を、四十年後に組織から辿り直す
数値ではなく、そこで暮らした声を集めた記録
止まった原因を、十九年分あとから並べていく
観測をやめなかった記録が、被害の理由を残す
古文書の中に、次に来る災害の前例を探す