十秒の外側書店
店長:名鑑は序ノ口から読む
取組は十秒で終わります。この店で読むのは、その外側。行司の房の色、浴衣の反物、鍋に入れる鶏の量、名鑑の下のほうに並ぶ名前。勝ち負けは結果表に出ているので、ここでは誰も土俵に上がっていない時間のほうを読みます。
土俵は日本だけのものではありません
取組より先に、作法のほうが気になる
土俵の寸法から化粧廻しまで図で出ます
呼び上げる側にも、一生分の話がある
房の色が違えば、階級も違います
取組の外で、力士は柄を選んでいる
土俵に上がらない時間の、地味な一動作
あの動きに理由があると、初めて知る
言葉も鍋も違う場所で、番付を上がる
土俵の裏側を、いた人が喋ってしまう
勝負より、中継の間の時間を見ています
鍋の量が、部屋の日常をいちばん語る
序ノ口まで全員の名前が載っています
部屋という仕組みを、外から数えてみる
十秒の外側にも、百年分の記録がある
上がった日より、上がるまでが長い