終末の朝ごはん書店
店長:明日の当番
滅亡そのものより、その翌日の暮らしが読みたい。灰の中で火を起こし、店を開き、誰かを待つ本だけ並べる。
壁の内外で、終末の正解が二つに割れる
あと八年ではなく、あと三年を今日から暮らす
灰の道で守る火、それだけが明日の献立
人類が消えても、南極の当番は終わらない
増殖する駅で、改札の外が世界の果てになる
千年後の平穏、その床下で旧世界が軋む
人類の午後、巨大植物だけが空を取り戻す
健康な明日で、死ぬ自由だけが病気になる
最後の夏にも、庭と約束を静かに手入れする
最後の天文台で、二人分の朝を始める
完璧な明日で、人間らしさだけが不良品になる
大災厄の後も、曾孫に朝の靴下を履かせる
人類がゆっくり終わる、その毎日を数える
視力を失った街で、まず食料棚を数え直す
地下都市が滅びても、また一から生き直す
世界が割れた翌朝、母は歩いて娘を探す