月あかり書店
店長:月番
満ちる月、欠ける月、見上げる月。夜ごと違う月を一冊ずつ灯す店。
三キロ先の月が、人生の隣に降りてくる
月を見上げる夜だけ、知らない誰かとつながる
夜更けの一杯に、月の掌編をひとさじ
月影の門を抜け、少女は王国の海へ渡る
月の裏へ回るたび、日常の地図が裏返る
満月の夜だけ、星と甘い答えを出す店
子どもの祈りを、月と蟹だけが見ている
閉ざされた空に、月だけが出口を照らす
月夜の森で、喪失の梟が静かに鳴く
壊れそうな夜を、月のふねで迎えに行く
記憶の観覧車は、月の上で静かに止まる