檻のこちら側書店
店長:ゾウの糞、日に百キロ
かわいいから飼っているわけではありません。この店で読むのは、柵のこちら側に立っている人の手元です。毎朝の体重、餌の分量、糞の量。死なせないための記録だけを並べました。人気者の話より、休園日にひたすら掃除していた朝の話のほうが長く残ります。
上野で餌を配り続けた人の、園の見取り図
旭山の園長が語る、預かった命の並べ方
サル山の毎日を、柵のこちら側から記録する
開園前の一日を、仕事の順番で辿る一冊
死なせない側が、死なせる側に回った日
絶滅しかけた猫を、人が抱えて育てた記録
白黒の人気者の裏で、ミルクを計る人がいる
預かった動物に、次の世代を託す段取り
毎日見ている人が書くと、図鑑が変わる
絶滅種の餌と檻を、飼育のプロが真顔で計算
餌代も人手も、園を続けるための数字になる
水を回し魚を数える、水槽の裏の全工程
長靴と柄杓の毎日を、当人が笑って描く
透明な生きものを、絶やさず継いでいく手元
診る側から見ると、人気者の体調が見える
動物に合わせて、人間のやり方を変えた話