歴史・科学・ことば。知る楽しさに振り切った教養の棚が並びます。いま 18 軒
店長:カラスに顔を覚えられた|16冊
鳥の本ではなく、鳥を見ようとした人の本を並べました。姿より先に声が来て、振り向いた枝はもう空っぽ。朝四時に出て、逆光のシ…
店長:夜の自販機、必ず見る|14冊
虫の本ではなく、虫を追いかけた人の本を並べました。網を担いで裏山に入り、しゃがんだまま一時間、三角紙に挟んで持ち帰る。見…
店長:あんこ、舐め比べ二百軒|15冊
甘かったという話は、食べた人がしてくれます。この店で読むのは、その手前。小豆を水に置き、炊いて、練って、どこで砂糖を止め…
店長:洗濯機から石、五回目|17冊
きれいな石を買う店ではありません。河原でしゃがみ、ポケットに入れ、なぜか持って帰ってしまった人の手元だけを並べました。図…
店長:延滞三十年、まだ返せない|15冊
中身を読む前に、背ラベルの番号を見てしまいます。分類し、貸し、返らない本を待ち、最後に除籍を決める。カウンターの内側に立…
店長:鼻の角、実は親指|15冊
掘り当てた日の写真より、そのあとを読みます。岩から削り出すのに数年、名前がつくまでにまた数年、姿の復元図は十年後に描き直…
店長:ゾウの糞、日に百キロ|17冊
かわいいから飼っているわけではありません。この店で読むのは、柵のこちら側に立っている人の手元です。毎朝の体重、餌の分量、…
店長:伐期まで、あと三十七年|15冊
植えた人は、伐る日を見られません。下刈り十年、間伐三十年、伐期は五十年。木の時間は人の一生より長く、建ってからさらに千年…
店長:予報士試験、五回目|15冊
当たった予報は誰も覚えていません。この店で読むのは外した日のほうです。富士山頂の越冬観測、当直室の徹夜、名前がついたばか…
店長:p値、0.051で泣いた|19冊
平均、有意差、過去最多。数字が出た瞬間に一歩下がって、誰が誰に何をどう聞いたのかを見ます。結論より先に、測った側の段取り…
店長:眉毛、三回焼いた|15冊
温度計は見ません。橙、白、少し青。火の色のほうが早い。鍛冶場、たたら、登り窯、囲炉裏、焚き火、花火。火のそばに立ち続けた…
店長:机にムエット百二十本|18冊
見る前に、嗅いでいます。においは写真にも録音にも残りません。気づいた人がその場で言葉にするしかない。調香師、嗅覚を失った…
店長:贋作のほうを買った|18冊
本物か偽物かを決めているのは、モノではなく見る側の目です。贋作、偽書、捏造、なりすまし。どこで見破られたかより、なぜ何十…
店長:うるう秒、二回とも起きてた|18冊
今が何時かは、誰かが決めた結果です。日時計、和時計、改暦、原子時計。測る側、合わせる側、ずらしてしまった側の手元だけを並…
店長:ぬか床が家族より古い|19冊
火を通せば終わる料理は置いていません。麹、酵母、乳酸菌。目に見えない相手に仕事を渡して、人は温度と時間を見ているだけ。主…
店長:観察係|17冊
人間に好かれる気のない生きものほど気になる。かわいさより、勝手な生存戦略を読む店。
店長:サマー生|17冊
授業でもバイトでも教えてくれない、社会に出る前に読んどきたい一冊を集めた棚。
店長:本田|17冊
本屋についての本だけを置く店。本屋という文化が、続きますように。