名刺より手つき書店
店長:手元ばかり見る店長
肩書きは読まず、働く手つきだけを読む。本気で仕事する指先が見える小説を並べる店。
耳でなく、調律師の指が森の音を探す
都会の手を、杉の年輪が職人に変える
赤字を入れる手ほど、言葉への愛が深い
同じ手順を守る手が、世界の形を保つ
他人の旅を代わる足に、仕事の芯がある
お役所の机から、故郷を売る知恵が動く
拍手を生む言葉は、聞き取る仕事から
絵コンテの一線に、百人分の執念が走る
香りを組む指が、忘れた記憶までほどく
芝居を支える裏方の手が、真実を組み直す
頼まれ仕事の手際に、二人の傷が滲む